女性差別撤廃条約選択議定書の批准を求める意見書

あらゆる分野における女性差別の撤廃をうたった「女性差別撤廃条約(以下本条約)」が1985年に批准されて以来、4半世紀近くを経た現在も、女性に対する差別は今なお社会、結婚、地域、雇用等に根深く存在している。
本条約の実効性を高めるため、個人通報制度と国連女性差別撤廃委員会(以下委員会)の調査制度を定めた「女性差別撤廃条約選択議定書(以下選択議定書)」は、1999年の国連総会で採択され、2000年12月に発効。現在までに、世界で96ヵ国が批准している。

しかしながら、日本政府は「司法権の独立を侵すおそれ」を理由に、いまだに批准していない。経済協力開発機構(OECD)加盟国で、未批准国はアメリカと日本の2国のみである。
2003年夏、委員会は、日本政府に対して「選択議定書により提供される制度は、司法の独立性を強化し、女性にたいする差別への理解をすすめる上において司法を補助するものであると強く確信している」と批准を「勧告」している。
「世界経済フォーラム」の「世界男女格差報告」2008年版によれば、日本の男女格差指数の順位は130ヵ国中98位と、前年の91位よりさらに後退しており、女性差別の是正が国際的に見ても極めて遅れていることを示している。
加えて、昨秋以降の未曾有の経済・金融危機のなか、妊娠・出産を理由にした不利益な扱いや、育児休業などを理由にした女性の解雇などが急増していることから、妊娠中の女性に特別の保護を与えることを定めている本条約の徹底が緊急の課題となっている。地方議会は、こうした女性たちの苦悩に日々直面させられている。

一方、政府は、男女共同参画社会基本法の理念の実現を「21世紀の最重要課題」と位置づけている。「選択議定書」についても、男女共同参画審議会答申において「男女共同参画の視点から積極的な対応を図っていく必要がある」と明記され、批准へ積極的姿勢を示している。

こうした現状に則し、日本における女性差別撤廃の取り組みの強化を促す選択議定書の批准を、早急に実施するよう求める声が各地から上がっている。本条約が真の実効性を持ち、男女の人権がともに保障される男女平等社会の実現を促進するためにも、選択議定書の批准が求められている。
よって、本市議会は、国会及び政府に対し、選択議定書採択10年の節目にあたる本年こそ、選択議定書を批准するよう、強く求めるものである。

上記、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

2009年6月  日

  市議会議長

あて先
衆議院議長  河野 洋平 様
参議院議長  江田 五月 様
内閣総理大臣 麻生 太郎 様
外務大臣   中曽根弘文 様
総務大臣   鳩山 邦夫 様
内閣府特命大臣・少子化対策・男女共同参画担当 小渕 優子 様